お知らせ Information

2021.08.04 HKイノエン社がtegoprazanの非びらん性胃食道逆流症を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果に関する論文を発表

2021年8月3日、 HK inno.N Corporation(本社:韓国ソウル市、代表取締役:Seok-Hee Kang、以下「HKイノエン社」)は、当社がHKイノエン社に導出した胃食道逆流症治療薬tegoprazan(韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「K-CAB®」または「tegoprazan」)につきまして、非びらん性胃食道逆流症(以下「NERD」)を対象とした第Ⅲ相臨床試験(以下「フェーズ3試験」)に関する論文が公開されたことを公式に発表しましたのでお知らせいたします。


本論文は、世界的に評価の高いトップジャーナルが登録される学術データベースであるSCI(Science Citation Index)にも収録されている、国際医学学術誌AP&T(Alimentary Pharmacology&Therapeutics(ISSN:0269-2813 ))に掲載されました。


本論文は、非びらん性胃食道逆流症患者を対象とし、K-CAB®の有効性と安全性を評価することを目的として行われたフェーズ3試験の結果に関するものです。韓国のNERD患者324名がtegoprazan 50 mg、tegoprazan 100 mg、プラセボの3つの群に無作為に割り付けられ、これらの薬剤が1日1回、4週間にわたって投与された比較試験の結果が報告されています。本試験において、tegoprazanは、50 mgおよび100 mgの各投与群で、プラセボに比べて優れた有効性を示しました。また、安全性に関して群間での差はありませんでした。


当社はHKイノエン社との間で2010年9月にtegoprazanの東アジア地域を対象とした開発・販売及び製造に関する独占的ライセンス契約を締結しました。HKイノエン社は韓国でtegoprazanの開発を進め、2019年3月に韓国で30番目の新薬「K-CAB®」として上市しました。K-CAB®は現在、韓国国内において、びらん性胃食道逆流症、非びらん性胃食道逆流症、消化性潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ除菌の併用療法など、合計4つの適応症で承認されています。HKイノエン社は、その他の国や地域についても、中国、東南アジア、中南米等の有力企業にtegoprazanのサブライセンス権を付与しており、市場を順次開拓しております。


当社は今後も引き続き、tegoprazanの価値最大化に向けてHKイノエン社との連携をより強固にし、世界各地の多くの患者さまに同薬を届けることにより、消化器疾患治療の選択肢を広げ、患者さまの生活の質(QOL:Quality of Life)の向上に一層貢献できるよう努めてまいります。


以上


<ご参考>

HKイノエン社の公式発表は、HKイノエン社のホームページをご覧ください。

http://www.inno-n.com/company/publicity_center/report_data/view.asp?crd_seq=755


【今回の発表論文】

今回発表された論文は以下になります。(オープンアクセス論文)

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.16477


Seung Han Kim, Kwang Bum Cho, Hoon Jai Chun, et al. " Randomised clinical trial: comparison of tegoprazan and placebo in non-erosive reflux disease"

Alimentary Pharmacology and Therapeutics, 2021;54:402-411.
doi.org/10.1111/apt.16477



 

本論文の要約※

背景

Tegoprazanは、胃酸の分泌を抑制する新規の速効性および長時間作用型のカリウムイオン競合型アシッドブロッカーであり、胃食道逆流症の一種である非びらん性胃食道逆流症(NERD)の患者に有効であると考えられる。

目的

韓国のNERD患者を対象に、tegoprazanの有効性および安全性プロファイルをプラセボと比較して評価する。

方法

フェーズ3二重盲検プラセボ対照多施設共同試験において、韓国のNERD患者324名をtegoprazan 50 mg、tegoprazan 100 mg、およびプラセボの3つの治療群に無作為に割り付けた。これらの薬剤を1日1回、4週間にわたって投与した。主要評価項目は、4週間の治療期間中の最後の7日間に主要症状(胸焼けおよび逆流)が完全に消失した患者の割合とした。その他、有効性、安全性、忍容性に関する結果も評価した。

結果

Tegoprazan 50 mg、tegoprazan 100 mg、およびプラセボを投与した結果、投与4週後の時点において主要症状が完全に消失した患者の割合は、それぞれ、42.5%(45/106例)、48.5%(48/99例)、および24.2%(24/99例)であった。Tegoprazanは、50 mgおよび100 mgのいずれの用量においてもプラセボと比較して優れた有効性を示した(それぞれP = 0.0058およびP = 0.0004)。胸やけの完全解消率および胸やけのない日数の割合は、tegoprazan投与群において、プラセボ投与群よりも有意に高い値を示した(いずれもP<0.05)。治療に関連した有害事象の発生率には有意な差は認められなかった。

結論

Tegoprazan 50 mgおよび100 mgは,NERD患者において、プラセボと比較して優れた治療効果を示すとともに、良好な安全性プロファイルを示した。

※上記要約は、本論文の冒頭に掲げられた要約部分の日本語抄訳です。本論文の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。



【用語解説】
プラセボ:プラセボとは有効成分を含まない薬のことで、日本語で「偽薬(ぎやく)」といわれることもあります。プラセボを服用することで、症状の改善や副作用があらわれることもあります(プラセボ効果)。臨床試験では、プラセボ効果を差し引いて、本当の意味での薬の有効性および安全性を科学的に明らかにする必要があります。


二重盲検プラセボ対照多施設共同試験:患者さんが何を服用しているかがわかることで、心理的な影響等により、正確なデータを得ることが難しくなります。この影響を避けるために、本当の薬と見た目の差がないプラセボが用いられ、患者さんと担当医師にもわからないようにして行われる試験手法を二重盲検プラセボ対照試験といい、複数の施設で行われたものを二重盲検プラセボ対照多施設共同試験といいます。