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2016.08.10 TRPM8遮断薬の前臨床開発段階への移行のお知らせ

TRPM8遮断薬の前臨床開発段階への移行のお知らせ

当社は、この度、探索段階にあるTRPM8遮断薬(化合物コード: RQ-00434739、以下「本化合物」)について、前臨床開発段階に移行することを決定しましたのでお知らせいたします。

 

当社の主要研究領域である「疼痛」分野における創薬研究の一つとして、抗がん剤使用に伴う冷アロディニアを候補適応症とするTRPM8受容体遮断薬の探索研究を行ってまいりましたが、このたび探索研究段階における薬効薬理、薬物動態、および安全性等の評価を終了し、抗がん剤誘発冷アロディニアの動物モデルにおいて本化合物の有効性が示されたことから、前臨床開発段階へ進めることを決定いたしました。

 

現在まで、抗がん剤使用に伴う冷アロディニアの副作用に対する予防法や治療法は確立されていません。この副作用を理由とする抗がん剤使用の中止や患者さんの生活の質の低下を防ぐことができる新たな治療薬の開発が切望されており、本化合物は、この治療の画期的な新薬になることが期待されています。

 

当社は探索研究の成果として創出した本化合物を、全世界を対象として導出活動を展開することで、製薬企業などとのパートナーシップを早期に築いていきたいと考えています。さらに当社は、本化合物をはじめとする開発中の医薬候補化合物の更なる価値向上に努め、当社発の新薬の一刻も早い上市による医療への貢献を目指してまいります。

 

以上

 

【抗がん剤使用に伴う冷アロディニアについて】

抗がん剤使用に伴う冷アロディニアは、特定の抗がん剤の使用に伴い生じる感覚異常の副作用であり、通常の生活における冷刺激(ドアノブや水に触れるなど)を激しい痛みとして感じる症状のことです。抗がん剤の使用により末梢神経が障害を受けることでこの症状が現れると考えられています。症状が重い場合には日常の生活に困難をきたし、原因である抗がん剤の減量や使用中止を余儀なくされ、主訴であるがん治療法の選択肢を狭めることになります。

 

【TRPM8受容体について】
TRPM8受容体は、TRPファミリーと呼ばれる温度感受性イオンチャネルの一つで、25~28℃以下の冷たい刺激に反応する冷感センサーとして知られています。したがって、TRPM8受容体遮断薬は、冷アロディニアを治療する薬剤として期待されています。