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2011.06.16 「Digestive Disease Week 2011」(シカゴ)で5-HT2B受容体拮抗薬について発表しました

「Digestive Disease Week 2011」(シカゴ)で5-HT2B受容体拮抗薬について発表しました

このたび2011年5月にアメリカ・シカゴで開催された「Digestive Disease Week 2011」にて、2件の研究発表を行いました。

発表内容は以下の通りです。

【ポスター発表1】:
The novel 5-HT2B receptor antagonist, RQ-00310941, attenuates visceral hypersensitivity and abnormal defecation in rat models
(新規5-HT2B受容体拮抗剤RQ-00310941はラット内臓痛覚過敏および排便亢進を減弱させる)
【要 約】:

5-HT2B受容体はヒト結腸の平滑筋や筋間神経叢に存在し,大腸の運動や求心性神経伝達への関与が示唆されている.本研究では,新規5-HT2B受容体拮抗剤であるRQ-00310941のin vitroおよびin vivoでの効果を検討した.

RQ-00310941はヒト5-HT2B受容体に対し高い親和性と選択性を示し,in vitro機能試験においては強い5-HT2B拮抗作用を示した.またTNBS感作ラットにおいて,痛覚閾値の低下や拘束ストレス誘発の排便異常をRQ-00310941は用量依存的に抑制した.一方,ラットの正常排便に対してRQ-00310941は高用量においても無影響であった.5-HT3 受容体拮抗剤であるアロセトロンの臨床相当用量は,ラットの痛覚過敏や排便亢進に対して抑制効果を示したが,この用量において,正常排便を有意に抑制した.

これらの結果から,RQ-00310941は下痢型および混合型IBS患者に対して有用な薬剤であり,臨床において5-HT3受容体拮抗剤で報告されている虚血性大腸炎や重度の便秘等の副作用のリスクは低いことが示唆された.

【ポスター発表2】:

Investigation of roles of a 5-HT2B receptor antagonist on colonic compliance in the anaesthetized rat

(麻酔下ラットの結腸コンプライアンスに対する5-HT2B受容体拮抗剤の役割検討)

【要 約】:

TNBSで感作したラットを用い,5-HT2B受容体拮抗剤の結腸コンプライアンスに対する影響を検討した.麻酔下ラットの肛門から5センチの遠位結腸を,一定量の還流液で拡張した.正常ラットにおける拡張初期の最大内圧は30 mmHgであった.

正常およびTNBS感作ラットにおいて,結腸拡張による内圧は,2つのコンポーネント(速い相/遅い相)のコンプライアンスによって低下することが明らかとなった.速いコンポーネントは,拡張から初めの30秒間に起こり,このコンプライアンスはヘキサメトニウムで増大したが,アトロピンには無影響であった.2番目の遅い相の内圧低下は,拡張から0.5~2分後に起こり,結腸内圧が15 mmHg以下で始まった.TNBS感作ラットでは,結腸のコンプライアンスが低下し,平均の初期圧は正常ラットと比較して上昇していた.選択的な5-HT2B受容体拮抗剤であるRQ-00202065の静脈内持続注入は,拡張初期の内圧には影響せず,速いコンポーネントにおける内圧低下速度を明確に上昇させた.また,2番目の遅い相の内圧低下には影響しなかった.

これらの結果は,5-HT2B受容体拮抗剤が結腸コンプライアンスを増加させ,結腸における求心性神経の発火を減少させ得ることを示唆している.